いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法の一つに「鼻マスク(CPAP:持続陽圧呼吸療法)」という方法があります。これは重度までの睡眠時無呼吸症候群に適応しています。この方法は、鼻にゴムマスクを着けてコンプレッサーを使い、圧力を加えた空気を鼻から気道に送り込みます。これは人工呼吸器のように気道内を陽圧にさせ、人工的に空気を送り込む事ができます。
こうすることにより舌が気道の方に落ち込んで、気道を閉塞させるのを防ぐことができます。この方法を用いると、症状がかなり改善されるようになるために熟睡できるようになり、睡眠時無呼吸症候群には大幅な効果が期待できると言われています。
しかし鼻マスクは有効的なばかりでなく、弊害もあることは忘れないで下さい。例えばマスクをする事による寝苦しさや不快感を伴うことです。鼻マスクには加湿機能が付いているものもありますが、付いていないものを使用すると、喉が渇いたり痛くなったりします。ましてや鼻が悪い人には使用できないというデメリットもあります。
鼻マスクを使えない人には、マウスピースを用いたり手術したりと、別な手段で改善される事をお勧めします。装着はポータブルで良いのですが、持ち運ぶにはホースが付いていたり、マスクの手入れが必要になったり、電源がないと使用できない等と不便です。また治療するには保険適用外なので高額な費用がかかり、数十万円にもなります。
しかし、中には保険が適用されるケースもあります。それは入院時の検査で無呼吸症候群が中~重度だと診断された場合で、かつ毎月一回の通院可能な人に適用されます。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法に効果があると思う方法に、次のようなものがあります。それはマウスピース、気管切開、外科手術、鼻マスク、生活習慣の改善などです。このうちここでは「マウスピース」についてご紹介したいと思います。
【マウスピース(歯科装具)】
適応:いびき、睡眠時無呼吸症候群
治療用マウスピースの制作順序
1.検査、歯型 → 2.調整および仮使用 → 3.最終仕上げ
マウスピースを使った治療方法は、身体に負担をかけないという事で、いびきや無呼吸症候群に効果的とされています。マウスピースをつけると、下顎が持ち上がり気道が開くため、空気の通りがよくなります。そうするといびきや無呼吸が改善されます。効果は9割以上だと言われています。これは上下の歯と顎の状態に合わせてアクリル樹脂で個別に作成します。
【メリット】
・小型サイズでポケットサイズなので、旅行や出張など携帯に便利です。
・手術や鼻マスクなどと比べるとかなり楽で、身体への負担も相当激減します。
・効果が9割以上と非常に高いために、長期間続ける事ができます。
・口に入れるだけで効果が現れます。
・通院回数も少なくて済みます。
【デメリット】
・18歳未満、または20本以下しか歯が無い人は、使用できない場合があります。
・歯がぐらついたり、顎の関節に痛みがある等障害がある人は、使用できない場合があります。
・寝つきが悪い人、神経質な人には使用できない場合があります。
・鼻の通りが悪い人、咽頭の肥大が大きい人は使用できない場合があります。
いびきには自覚症状はありませんが、家族や友達などの安眠の邪魔になったり、睡眠時無呼吸症候群、慢性疲労、心臓病、脳梗塞、突然死など重大な病気を引き起こしたりする可能性もあるので、たかが「いびき」と甘くみたら大変な事になるかもしれません。
その「いびき」を解消するのに「レーザー治療」という方法があります。これは口蓋垂(こうがいすい:のどちんこのこと)の部分の周りにレーザーをあて、気道を広げるようにします。これにより喉の粘膜の震えが解消され、いびきが軽減されるのです。レーザーというと少し怖いように感じるかもしれませんが、手術は局所麻酔をスプレーでしますので、ほとんど痛みは感じられないと思うので心配はないでしょう。
手術時間も5~15分程度と短く、安心して受けていただく事ができます。術後の通院は、絶対に必要という事ではありません。術後の経過が良好であれば、炎症が消える1週間後、1ヵ月後(手術の反応が消える頃)、3ヵ月後(喉の形状が決まる頃)などのキリの良いタイミングの時に通院すればいいと思います。
また痛みについてですが、術後の数日間は扁桃炎のような痛みが出ることもありますが、違和感がある場合は1週間程度でなくなると思います。また食べ物を食べると飲み込みづらいなどの違和感があるケースがあります。治療後の食事制限ですが、アルコールやタバコは控え、固いもの、熱いもの、辛いものなどの刺激物なども摂らないようにした方がいいでしょう。また処方されたうがい薬を日に5~6回ほど使ってうがいするようにして下さい。
また、いびきは気道の中の粘膜の震えが原因で発生するので、レーザー治療でこの震えを抑えることができるというわけです。最近のレーザー治療は痛みや出血が抑えられており、日帰りでできるので、昔よりは手軽に行えるようになりました。
【治療の流れ】
○診察・検査
病院では口や鼻の状態がどのようになっているか内視鏡で確認をして、いびきの原因を探ります。もし無呼吸症候群の可能性がある場合、別の検査を行うようにします。
○レーザー(治療)
いびきや無呼吸症候群をレーザー照射で気道を拡張する事によって改善していきます。レーザー治療は、痛みや出血が少ないので入院の必要がなく、日帰りで治療ができます。問題視されているいびきの音ですが、これには個人差があるために、治療をしても音が改善されない人もいますが、およそ9割の人が改善されるとされています。しかしこの時、肥満の方は音が改善しない場合もあります。
○術後
治療後は落ち着くまで1~2週間程度かかりますので、激しい運動や刺激物の摂取などは控えて頂いた方がいいと思います。傷跡が落ち着いた頃の1~2週間後に病院に行き、専門医にチェックしてもらいます。
いびきや睡眠時無呼吸症候群の治療法に「外科手術」という方法があります。外科手術は、病的症状が原因の場合、病気が原因の場合に適応される方法です。外科手術の必要がある病的症状としては、気道内における扁桃の異常な肥大、のどちんこが極端に長い等があります。いびきや睡眠時無呼吸症候群で行う手術の一般的な方法は、UPPPとLAUPです。
UPPPとLAUPのいずれの方法も、気道を狭窄させないように喉の形を変える方法です。手術という外科的治療で喉の咽頭部分を広げる、呼吸も楽になります。呼吸がしやすくなると体内の酸素取得量も増えることになります。そうすると、心臓にかかる負担が減るために高血圧などの合併症を引き起こす危険性も減ります。では、それぞれの説明をします。
【UPPP】
睡眠時無呼吸症候群に有効的な手法です。外科的に口蓋、軟口蓋を切除し、粘膜(口腔、鼻腔の両方)を縫合し、突っ張るような緊張状態を作り上げます。
【LAUP】
いびきを治療する際に使用する手術法です。UPPPに比べ切除する範囲は狭く、レーザーで焼きます。
外科の手術の目的は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となっている粘膜の削除や咽頭部を広げるような手術をして呼吸をしやすくするといった所にあります。時には気管切開が必要な場合もあります。どちらにしても、専門医の判断を受けて治療するようにしてください。